2010年12月30日木曜日

終わり


今年も終わり。
長いようで、あっという間の一年だったなどと、ありきたりな感想を、思い浮かべた自分に腹が立ち、あっという間の様な感じもしたが、意外と長かったんじゃないか、と思うことにした。


毎年恒例の忘年会を、今年から始めることにした。
記念すべき第一回目は、我が家で行われた。
狭い家の中に、
大先輩、
先輩、
ほぼ同期、
後輩だけど芸歴は先輩、
後輩だけど人生の先輩、
大後輩
が集まった。
僕を入れると七人。
座れないので、仕方なく『立食パーティー』となった。


各自が、
自分の生まれ年のワインを持ち込み、
チーズをフォンデューしたり、
リッツにオンしたり、
スパゲティをパスタにしたり、
お米をリゾットしたり、
ストーブを暖炉にしたりと、
大オシャレだ。


最初の五分は、
その雰囲気にピッタリな、ジャケットやスイーツの話で盛り上がったが、
残り三時間は、
今年の反省、
日々の苦悩、
漠然とした将来の不安、
世間の冷たい目、
糖尿病や痔についてなど、
大いに涙した。


皆さんの涙が枯れたところで解散。


残ったものは、床に大量にばらまかれたリッツのカスと、汚れた食器たち。

よし来年は和民にしよう。


皆さん今年一年ありがとうございました。

2010年12月25日土曜日

通販




新幹線で、地方の仕事に行くときの楽しみは、もちろん座席の前にある通販カタログだ。
あれこれ、チェックしていたら、あっという間に時間が過ぎてしまう。

先日、読んでいて気になったのは、昔からよく見る
『保温インナー』だ。
雪山でエベレスト登山隊が、そのインナーのみを着て、笑顔で腕組みをしている写真のアレだ。
たしか子供の頃から、色んな雑誌に出ていたのだが、ちょっと値段が高めで、買うのを躊躇していた。

今回、改めてじっくり読んでみたら、その写真の下にある※印を見て驚いた。

『登山隊が、着用しているのは、特注デザインで、お届けする商品とは異なります』

えっ?
異なる?
違う商品なの?
そんなのあり?
それが許されれば、何だってありですよ。
子供の頃の思い出を返して!

でも、やっぱり気になるので、いつか買います。

どうしよ、薄々なのが届いたら。

そんなストレスを解消してくれる、次の商品は写真の壺だ。
シリコン素材の壺で、その中に日頃のストレスを、大声で吐き出すと、あ〜ら不思議、ストレスがどこへやら。
いくら大声を出しても周りに迷惑がかからない。

なんとこれが、

『売れてます!』

と、書いてあるから、あ〜ら不思議。

これはこれで興味ありだが、進化させて、その壺にストレスを吐き出すと、優しい言葉になって出てくる商品を誰か作って頂けないでしょうか?

例えば、
『ばかやろう!』
と叫んだら、
『もうっ、ばかなんだから!』に
『このハゲ!』
と叫んだら、
『そこの髪の毛の薄いお方!』に
『こんな会社辞めてやる!』
と叫んだら、
『辞める2ヶ月前に辞表出しちゃうぞ!』
など。

まあ、それはいいとして、他にも欲しい商品がいっぱい。
『首に巻いてエアーチューブで、首を伸ばしてくれるマッサージ機』
『ぶら下がり健康器』
『携帯用ウォシュレット』
『全身スッポリ着たまま歩ける寝袋』
『寝ながら本を読める読書用スタンド』
『洗濯機に入れて回すだけで、洗濯機を除菌してくれるスグレモノ』
などなど。

そうだ。いい年してサンタクロースにお願いしよう。

もし届かなかったら、壺に大声で叫ぼう。
出てきた言葉が、
『そこの白長髭の赤い老紳士さん。力強く叩いちゃうぞ!』
だったら、ごめんなさい。

2010年12月20日月曜日

日常




油断していたら、新聞がたまってきた。
毎朝・夕(夕刊は、頼んでないのに勝手にくる。有り難く頂いている)と、届けられるので、3日も読まないと結構な量になる。
無理に読まなくてもいいのだが、やっぱりお金を払っているから、読まずに捨てるのはもったいない。
夜中、一気に読んでいると、朝方玄関から「ガタッ」と音がする。
朝刊だ。また増えた。
ちなみに、今は一週間前のを読んでいる。
これは、もう『新聞』とは言えない。
そういえば、こんなこともあったなぁ、という確認作業だ。

半年前から東京新聞をとっているのだが、なぜか時々、毎日新聞がくる。
多分、悪ふざけで「俺今日、三件違う新聞入れてやったぜ!」などと、遊んでいると思うのだが、
まあ、他の新聞も読めて楽しいので、敢えて苦情は言っていない。
そういえば、最近毎日新聞が入る割合が多くなってきている気がする。
いずれ、毎日新聞だけになる日が来ることを楽しみにしている。

月末には集金が来る。面倒だ。
引き落としにすれば、楽なのだが、何だか勝手に無くなるのは、どうも気分が良くない。
だから、電気もガスも水道も、コンビニに払いに行く。
新聞も、コンビニで払えるようにしてくれればいいのに。

そういえば、PASMOも引き落とし出来るらしいが、やっぱり細かく千円づつチャージしている。
毎回、残高不足じゃないかと、ビクビクしながら『ピッ』とやる。
足りないと赤く光る。
そして、僕の頬も赤くなる。
さらに、これを書いてて、今また赤くなった。

一度、一万円をチャージしたことがあったが、驚くほど快適だった。
しかし、勇気がなくて、その一度きり。

そんなことより、PASMO自体に、残高がいくらかわかるように、のせてくれればいいと思いませんか?
それぐらい出来そうなもんだけど。

まあいい、新聞だ。
うちは、インターホンがないので、誰がピンポンしても、まず出ない。
変な勧誘が来たら面倒だからだ。
ある日、集金らしき人が来たが、とりあえず居留守。
最初は、
『ピンポーン、ピンポーン』
と、穏やかだが、
しばらくほっておくと、
『ピンポン、ピンポン、ピンポン、ピンポン、ピンポン、ピンポン』
と、連続ピンポンだ。
さらに、ほっておくと、
『ピーンポーン、ピンポピーンポーン、ピンポピンポピンポ、ピーンポーン』
と、遊んでくる。
しばらく鳴らなくなったので、帰ったのかと思ったら、

『ピンポーン』

フェイントだ。

あまりに、ひつこいので思い切って出たら、
その人が「あっ、すいません。居ないと思いまして。」

いやいや、居ると思ったから、押したんじゃないのか!
居ないなら、押してもしょうがないだろ!

と、ちょっとムッとして、顔が赤くなったが、
「3ヶ月分たまってます」
と言われ、
顔が青ざめた。

2010年12月16日木曜日

ちなみに




今回会場として使わせて頂いたお店は、早稲田大学近くの『トナカイ小麦店』という喫茶店です。
可愛らしい雰囲気のお店で、
僕はまだ飲んだことがありませんが、コーヒーがとても美味しいです。
そして、僕はまだ食べたことがありませんが、カレーがとても美味しいです。

是非お越し下さい、と言って欲しいと言われました。

来年からは、月2、3回、僕の他にも、若手落語家の会を行います。
頬づえの松之丞くんも出ます。

是非お越し下さい、と言われました。

65分ぐらいのA太郎





先日は、『65分ぐらいのA太郎』に、ご来場頂きました、少数精鋭の皆様ありがとうございました。
そして、来なかった大多数の皆様ありがとうございました。
少数と言えども満員ですよ、満員。

なぜなら会場が狭いからさ!

今回のネタは『時そば』『表と裏』『湯屋番』
この会場は、初めてということもあり、最初はドタバタしたんですが、最後はシーンと静かに終わりまして、良かった反面泣きました。
新作は楽しく出来ましたが、古典は勉強になりました。

『時そば』をやってる最中、楽屋のカーテンが徐々に落ちていき、お客様に「カーテンが気になって、落語に集中できない」 と、苦情がありました。大変申し訳ありませんでした。
しかし、それが一番受けました。

ありがとう。

最後は、65分を越えてしまい、強制的に終了となったので、落ちを聞いてもらうことが出来ませんでした。

今後は気をつけます。

とはいえ、予約をしないでも十分に入れるのに、わざわざ予約をして下さったお客様、ありがとうございました。
また、ネタおろしの緊張感の中、ネタの途中で会場に入ってきたお客様、ありがとうございました。
そして、忙しい仕事を終えて来ていただき、疲れで熟睡されていたお客様、ありがとうございました。
さらに、手伝いに来てくれた、後輩の松之丞くん。
僕の落語の最中は、頬づえをついて、携帯から目を離さなかったのですが、終わってすぐに、肩をそっと叩いてくれて、ありがとうございました。

来月もありますので、また少数精鋭の皆様お待ちしております。

2010年12月14日火曜日

告知

あと6時間後に
『65分ぐらいのA太郎』という、
昔昔亭A太郎が65分ぐらい一人で落語をやるという会があります。
おそらく、7時間5分後には終わると思いますが、まれに7時間後か、7時間10分後に終わる可能性もあります。
いずれにせよ、8時間後には家に帰れるので、皆さん是非お越しください。
また、6時間45分後ぐらいには、休憩もございますので安心して下さい。
珍しく古典をやります。珍しがって下さい。よろしくお願いします。

2010年12月12日日曜日

お詫び

昨日の『新宿末廣亭深夜寄席』に於きまして、私の「面会」というネタでの『チンチン』発言は、いかがなものか、というお客様からのご指摘がございました。
深夜寄席だから、何をやっても大丈夫だという甘えと、年末のフワフワ感があったとはいえ、許されないことだと反省しております。
ただ、「下品」「最低」「二度と見たくない」といった意見の他に、
「よく言った」「それを待ってたんだ」「幸せ」
という意見があったことだけは、報告しておきます。
なぜそのようなことを、言ってしまったのか、今となっては思いだせないのですが、嫌な思いをなされた方には、謹んでお詫び申し上げます。
今後は、三回に一回ぐらいにしておきます。
お詫びといってはなんですが、先日酉の市の見せ物小屋でもらった、ヘビの皮の写真を添付させて頂きます。

2010年12月10日金曜日

休み

さあ、恒例の大型連休がきた。

皆さんにとっては、嬉しいかもしれないが、僕にとっては死活問題だ。
つまり、仕事がないということは、仕事がないということだ。
だからといって、何もしないといったらそうでもない。
もちろん、古典の稽古や、新作のネタ作りや、踊りの稽古、
はたまた、勉強のための読書や映画鑑賞、
さらに、漫画やテレビや睡眠や飲酒など、やることはいっぱいだ。
要するに、休みじゃないといえば、休みじゃないが、金銭的には休みだ。
休みのときの楽しみといえば、皆さんもそうだと思うが、もちろんヒゲを伸ばすことだ。
今回は、どこまで伸びるのやら。
いつか、あのヒゲの方の落語家、などと呼ばれてみたいものだ。

また、たまに掃除に夢中になることもある。
洗濯槽クリーナーや、お風呂のジャバなどのCMをみていると、まんまとやってみたくなる。
いつも思うのだが、それらをやって、汚れが出なかったら、喜んでいいものなのだろうか。
汚れが出ないということは、おそらく綺麗だったんだろうが、もしかしたら効果がなかったんじゃないか?とも思う。
逆に、汚れがもの凄く出たら、やったかいがあったとは思うが、今までこんなに汚かったのかと膝を落とすことになるだろう。
そんなことを考えたら、水道の蛇口は?シャワーの中は?
などと、いきすぎて心の中に汚れがたまってしまうので、その汚れを吐き出させてくれるスモークチーズを食べて、今日も眠るのである。

2010年12月6日月曜日

さわやか



2日と5日に、上野広小路亭で、兄弟子の健太郎兄さんの代演。
さわやかに楽屋入りと思い、靴を脱いだら違和感が。
右足の人差し指が見えている。
まさかと思い、一度上を見てからもう一度下へ。
やっぱり、見えてる。

いや別にね〜。
だからってね〜。
気にしないけどね〜。

駄目だ、恥ずかしい!
帰るか?

いやいや、もういい大人だ。
セロリだって食べられる。
ポン酢の良さだってわかる。
なにより、知恵がある。
靴下の先をそっと伸ばして、足の裏側に折り返し、なにげない笑顔で後輩に挨拶、さっと奥へ行って靴下を脱ぎ捨て、足袋をはく。

さわやかだ。

ちょうど、寄席の下には、毎日が閉店セールの衣服店がある。高座が終わったら、そこで買おうと思いながら演った『悋気の独楽』
ありがとうございました。
高座が終わり、お店へ。
安い!靴下一足60円。
せっかくだから、きりが良いところで、五足買って300円。
安くいっぱい買えて、これはまさに「雨降って地固まる」かな、なんて早速はいてみたら、

薄い!
スケスケ。
限りなく透明に近いグレー。

さわやかじゃない!
仕方ないので、上からもう一足。
まだだ、もう一足。まだだ、もう一足。まだだ…
ということで、一足300円でした。

上野広小路亭2日間ありがとうございました。

2010年12月3日金曜日

ラーメン屋




先日、近所に新しくできたラーメン屋に行ってきた。
僕は、そんなにラーメンが好きではないのだが、ラーメンライスは好きだ。
つまり、ラーメンをおかずにご飯を食べるのが好きなのだ。
これは、かなりのカロリーと、店長の複雑な笑みと、ラーメン通の「ふん、素人が」という声を、覚悟のうえだ。
もちろん濃いラーメンがご飯に良くあう。
ただ、その日は何だか「さらっと食べたいのさ」と思い、
"塩タンメン"を頼んだ。
しかし、出てきたのは、あっさり塩ラーメンの上に、肉野菜炒め定食の、あの肉野菜がどっさりのっているボリューム満点の一品だ。
さらっとのつもりが、肉野菜の誘惑に我慢できずに小ライスを追加。
これじゃまるで、肉野菜定食ラーメンセット、ライス少なめだ。
ひとまず、ラーメンを無視してもくもくと、肉野菜定食ライス少なめを食べる。
「うまい定食だ」
あまりに、もくもくだった為だろうか、
店長が思わず「どうですか、お味は?」と、聞いてきた。
普段なら、はにかみながら「エヘッ」と答えるのだが、その時は肉野菜炒め定食ライス少なめに浮かれていたのだろうか、つい「近所にいい定食屋ができて、嬉しいです。また明日来ます」と言ってしまった。
そのとき、店長が「エヘッ」と言ったのを、僕は聞き逃さなかった。
翌日、約束通りお店に行くと、
『体調不良の為、お休みさせて頂きます』という張り紙が。

えっ?

俺が行くって言ったから?
そんなに来て欲しくなかった?
定食って言ったから?
もくもく食べたから?
十円玉いっぱい出したから?
うそ、俺のこと嫌いなの?
へんに優しくしないでよ。

わかった、もういい。天下一品に行きます。